電車で遭った人「一人芝居」

これは、私が通勤時の電車での出来事です。
僕の目の前の人が突然降臨したかの如く捲し立ててきたノンフィクションです。

「ああ、耳が痛い」 (なんだ、いきなり)

「耳になんかできちゃった」 (ふーん)

「これは病院行かなきゃ」 (いってらっしゃい)

「会社に電話しなくちゃ」 (律儀ですね)

「あっ、店長ですか。なんか耳にできちゃったんで病院に行きます。」 (すごい理由)

「じゃ、お母さん病院に行ってくる。6000円頂戴。」 (金額の根拠が分からん)

「ああ、ここが医者だあ」 (へえー)

「先生、どうですか?」 (おっ、もう診てもらっている)

「うーん赤く腫れてるねえ」 (あっそう)

「耳の裏側がわーんってなるんですよ」 (抽象的だな)

「そりゃ大変だねえ。」 (感情こもってねえ)

「本当大変なんですよ」 

・・・目の前の私の方が大変なんですけど。